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住宅ローン金利に注意を払っておられる方は、住宅価格の動向も気になっておられるのではないかと思いますが、いつもご案内しているように国土交通省が3月に公表した2017年12月時点での不動産価格指数をチェックするとこのようになっています。
4月以降更新されていない点が少し気になりますが、全体的にはいつものように、
・マンション価格 : 高騰
・戸建て価格 : 変わらず
・土地価格 : 変わらず
といった形で対照的な動きになっています。ただ、その高騰を続けるマンション価格ですが、2017年の夏場から少し踊り場に差し掛かりつつあるように見えます。
これからマンション購入を検討されている方にとってはこのまま価格が落ち着いてくれることを期待したいわけですが、それ以外のデータでマンション価格が下がっているというものはなかったと思いますし、来年秋の消費税増税に向けてむしろ再上昇する可能性も高そうです。
引き続き慎重な検討が必要ですね・・・。
さてこうした不動産価格は「建物代」と「土地代」に分解できるわけですが、後者の「土地代=地価」の現状が把握できるのが本題の「地価LOOKレポート」です。
地価LOOKレポートとは、国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告」のことですが、その最新版=2018年第1四半期=2018年1月〜2018年3月のデータが発表されています。
毎回ご案内しているように、この調査では対象地区が
・東京圏43地区
・大阪圏25地区
・名古屋圏9地区
・地方中心都市等23地区
と全国にバランスよく配分されているのが特徴です。そのため3大都市圏のみならず全国の動向が把握できることに加え、「1年に1回」が多い他の主要な地価調査と違って3ヶ月に1回調査されており、発表も早く、地価をタイムリーに把握できる点も魅力ですね!
では早速、今回の調査結果について、値上がり・値下がりの分布を1年前、9ヶ月前、6ヶ月前、3ヶ月前の調査と比較するとこのようになりました。
・上昇地区 : 85 → 86 → 86 → 89 → 91
・横ばい : 15 → 14 → 14 → 11 → 9
・下落地区 : 0 → 0 → 0 → 0 → 0
上昇地区が91ヶ所、つまり91%もの地区の地価が上昇しているのですね!一方、下落している地区は1ヶ所もありません。
また3ヶ月前の前回調査から上昇地区が増加していることが分かります。1年前と比較しても徐々に増えていますね。地価の上昇傾向は鮮明です。
ただ一方で、上記の「不動産価格指数」を見ると「住宅地」の地価は低迷しています。少なくとも上昇はしていません。そのギャップの理由は・・・前者の不動産価格指数の方は全国の地価データが元になっているのに対して、こちらの地価LOOKレポートの方は、「主要都市の高度利用地」の地価がベースになっているからですね。つまり「都心部」あるいは「街なか」のデータであるということです。
要するに「都心部の地価は上昇するけれど郊外は上昇しない」「街なかの地価は上昇するけれど街はずれは上昇しない」という二極化が起きていることが示唆されています。
そしてマンションは通常「都心部」「街なか」に建っているわけですから、マンション価格上昇の背景には、こうした「都心部=街なかの地価上昇」が影響していそうですね。
少子高齢化が進む中、「都心回帰」の流れが続く限り、こうした二極化の動きは続きそうです。
それはともかくとして、いつものように少数派となっている「横ばい地区」の具体的な地名をチェックするとこうなっています。
・盛岡市/盛岡駅周辺
・千代田区/番町
・中央区/佃・月島
・品川区/品川
・江東区/豊洲
・武蔵野市/吉祥寺
・立川市/立川
・横浜市/元町
・長野市/長野駅前
今回は「柏市/柏の葉」「江東区/青海・台場」「京都市左京区/下鴨」の3地区が「横ばい」から「上昇」に転じています。
一方で「横浜市/元町」が「上昇」から「横ばい」に変化しています。
しかし今回の「横浜市/元町」が象徴しているように、一服感が出ているこうした「横ばい」地域に一等地が多いのが印象的ですね。
やはり、東京の都心部から始まった地価上昇の流れがどんどん周辺部に波及している一方で、東京の都心部では地価上昇が止まりつつあるということなのでしょう。
仮にこうした「横ばい」地域がいよいよ下落に転ずると今回の「不動産バブル≒マンションバブル」も終焉ということになるのでしょうけれど、上記の通り消費税増税が迫りつつある点などを踏まえれば、地価の価格上昇傾向はもう少し続きそうですね。
そもそも今回の調査では上昇地点が2つ増加し、91%の地点で地価が上昇しているわけですからね・・・これからマイホームを購入しようとされている方は購入しようとされているエリアの地価動向をチェックした上で購入の是非を判断してみてください。
ただし繰り返しになりますが、こうした「都心部の地価」や「マンション価格」は上昇傾向を維持する一方で、全国的に見れば「戸建て価格」や「住宅地価格」はさほど上昇していません。
その点では住宅価格の動向は地域や物件によって異なる点も十分考慮していただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>